日本暗殺秘録 作品情報

にほんあんさつひろく

○桜田門外の変 万延元年三月三日、薩摩浪士有村次左衛門ら十八名が江戸城桜田門外に大老井伊直弼を襲い暗殺。○大久保暗殺事件 明治十一年五月十四日東京麹町にて、島田一郎他五名が参議内務卿大久保利通を暗殺。○大隈暗殺事件 明治二十二年十月十八日、外務省正門前にて、玄洋社社員来島恒喜が投弾、外務大臣大隈重信は右脚爆砕後切断、来島は自殺。○星亨暗殺事件 明治三十四年六月二十一日、東京市役所にて心形刀流師範伊庭想太郎が東京市会参事星亨を暗殺。○安田暗殺事件 大正十年九月二十八日大磯にて神州義団主幹朝日平吾が安田財閥当主安田善次郎を暗殺。○ギロチン社事件 大正十二年九月十日、テロリスト集団ギロチン社社員古田大次郎が摂政官暗殺を計画、資金獲得のため銀行員を殺し死刑。○血盟団事件 日蓮宗行者井上日召を中心として結集した一団の民間青年と大学生たちは、国政改革を叫んで一人一殺のテロを計画、革命を志して上京した小沼正は日召に従い、昭和七年二月九日本郷駒込小学校演説会場で井上準之助前蔵相を暗殺、同年三月五日三井銀行本店正面玄関で団琢磨三井合名理事長が菱沼五郎により暗殺された。○二・二六事件 昭和十一年二月二十六日早朝、一部青年将校を先頭に兵員民間人あわせて千四百八十三名が首相官邸をはじめとした重臣たちの私邸を襲撃した。が、数日を待たず鎮圧された。襲撃を受けて死んだ者九名。決死部隊死刑十七名、自決した者二名だった。

「日本暗殺秘録」の解説

鈴木正の原作(原書房刊)を「緋牡丹博徒 鉄火場列伝」の笠原和夫と「おんな刺客卍」の中島貞夫が共同で脚色し中島が監督した明治・大正・昭和の暗殺ドラマ、撮影は「温泉ポン引女中」の吉田貞次。

公開日・キャスト、その他基本情報

キャスト 監督中島貞夫
原作鈴木正
出演若山富三郎 那須伸太朗 茂山高一 堀正夫 土橋勇 疋田泰盛 唐十郎 藤本秀夫 友金敏雄 吉田輝雄 矢奈木邦二郎 小田部通麿 千葉敏郎 菅原文太 志摩靖彦 高橋長英 五十嵐義弘 前川良三 森敏光 村田天作 土方巽 千葉真一 片岡千恵蔵 高津住男 宇崎正治 八尋洋 青山宏 山下義明 加藤匡志 高橋昌也 波多野博 三益愛子 小池朝雄 桜町弘子 藤純子 広瀬義宣 榊浩子 木山佳 中村錦司 北川恭子 南都雄二 加村赳雄 田中春男 西田良 平沢彰 白川浩三郎 汐路章 香月涼二 東山明美 賀川雪絵 市川裕二 岡島艶子 村井国夫 田宮二郎 林彰太郎 近藤正臣 原田清人 嶋田景一郎 賀川嘉三 砂塚秀夫 鶴田浩二 里見浩太朗 神田隆 高倉健 芥川比呂志
配給 東映
制作国 日本(1969)
上映時間 142分

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ユーザーレビュー

総合評価:4点★★★★、1件の投稿があります。

P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
★★★★
投稿日
2023-11-20

「日本暗殺秘録」は、桜田門外の変から二・二六事件まで、近代日本のテロの歴史をオムニバス形式で描いた作品だ。

時代劇から任侠・やくざ路線まで、東映オールスターの出演で、オープニングの桜田門外の変で、若山富三郎のダイナミックな殺陣が登場したかと思えば、大久保利通暗殺の唐十郎や大隈重信暗殺未遂の吉田輝雄などは一瞬の出演と、エピソードによって出番もかなり異なっている。

東映の看板スターが全員テロリスト役で、悪役の多い小池朝雄や賀川雪絵が哀れな善人役というのも面白い。

メインは全体の三分の二を割いた血盟団事件で、純朴な地方青年の小沼正(千葉真一)が、政治家を暗殺し逮捕されるまでの話。

正義感の強い青年が、テロリストになるまでを緻密に描き、映画全体のテーマ性を支えている。

テロリズムの本質に迫る笠原和夫の脚本を、中島貞夫監督がダイナミックに演出している。

イデオロギー的な色彩の強い内容に、スプラッター描写を混在させた点も独特だ。

最終更新日:2023-11-30 16:00:02

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