アプローズ、アプローズ!囚人たちの大舞台 作品情報

あぷろーずあぷろーずしゅうじんたちのだいぶたい

囚人たちのために演技のワークショップの講師として招かれたのは、決して順風満帆とは言えない人生を歩んできた俳優のエチエンヌ。彼はサミュエル・ベケットの『ゴドーを待ちながら』を演目と決め、訳あり、癖ありの囚人たちと向き合うこととなる。エチエンヌの情熱は次第に囚人たち、刑務所の管理者たちの心を動かすこととなり、難関だった刑務所の外での公演にこぎつける。しかし、思いも寄らぬ行動を取る囚人たちとエチエンヌの関係は、微妙な緊張関係の中に成り立っていて、いつ壊れてしまうかもしれない脆さを同時に孕んでいた。それは舞台上でもそのままに表出し、観客にもその緊張感がじわじわと伝染し始める。ところが彼らの芝居は観客やメディアから予想外の高評価を受け、再演に次ぐ再演を重ね、遂にはあの大劇場、パリ・オデオン座から最終公演のオファーが届く。果たして彼らの最終公演は観衆の歓喜の拍手の中で、感動のフィナーレを迎えることができるのだろうか。

「アプローズ、アプローズ!囚人たちの大舞台」の解説

刑務所で演技を教えることになった俳優が、さまざまな個性をもつ囚人たちと共に、サミュエル・ベケット作『ゴドーを待ちながら』の外部公演を成功させた80年代のスウェーデンの実話をフランスで映画化したヒューマンドラマ。人生崖っぷちの俳優エチエンヌを、「オーケストラ・クラス」(17年)で子供たちに音楽を指導していたカド・メラッドが演じている。刑務所の中では「待つことばかりだ」という囚人たちの言葉を聞き、『ゴドーを待ちながら』の演目を選ぶエチエンヌ。初めは茶化すばかりで真面目に取り組まない囚人たちが、エチエンヌの情熱と演劇の真の力によって次第に稽古に没頭する過程が丁寧に描かれていく。監督はバイプレイヤーとして俳優の実績を積み、「マドモワゼル」(01年)や「灯台守の恋」(04年)の脚本が評価され、「アルゴンヌ戦の落としもの」(15年)で監督デビューしたエマニュエル・クールコル。実際に運営されている刑務所で撮影し、刑務所のスタッフ全員と打ち合わせを重ねるほか、事前にキャストと刑務所を訪問するなど、徹底的にリアリティにこだわった。明るい希望が見い出せる映画だ。

公開日・キャスト、その他基本情報

公開日 2022年7月29日
キャスト 監督エマニュエル・クールコル
出演カド・メラッド タヴィッド・アラヤ ラミネ・シソコ ソフィアン・カーム ピエール・ロッタン ワビレ・ナビエ アレクサンドル・メドヴェージェフ サイド・ベンシナファ マリナ・ハンズ ロラン・ストケル
配給 リアリーライクフィルムズ(関西地区配給:キノ・シネマ配給協力:アルミード)
制作国 フランス(2020)
年齢制限 PG-12
上映時間 105分

(C)2020 - AGAT Films & Cie - Les Productions du Ch’timi / ReallyLikeFilms - Photo (C)Carole Bethuel (C)2020 - AGAT Films & Cie - Les Productions du Ch’timi / ReallyLikeFilms

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ユーザーレビュー

総合評価:4点★★★★、1件の投稿があります。

P.N.「ige」さんからの投稿

評価
★★★★
投稿日
2022-08-01

全てはラストのオデオン座のステージの為に作られた作品って感じ。
感動じゃなくて圧倒されたラスト!

役者のエチエンヌが刑務所の囚人に演技を指導して、囚人達を舞台に立たせる実話ベースのストーリー。

本作を鑑賞する前に「ゴドーを待ちながら」のお芝居のあらすじを確認した方が良かったかも。
この演目を囚人達が演じるけど、このストーリーが全く頭に入って来ない(笑)

やる気の無い囚人達と徐々に一体感が生まれ、芝居の素晴らしさが徐々に認められる展開。
役者の誰もが憧れるオデオン座でお芝居をする事に。
オデオン座の集客キャパが少ない感じだけど素晴らしい劇場。

ラストは鑑賞前に想像してたけど、そのタイミングが早すぎた(笑)
期待を裏切られた感があったけど、そこからのシーンに圧倒。
あそこまで圧倒された感じは、最近観た山田杏奈さんのBL系映画の体育館の壇上のシーンより凄い(笑)

刑務所の持ち物検査はかなり厳しいのに、それ以外の警備はかなり緩い感じです( ´∀`)

最終更新日:2023-03-31 02:00:03

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