パレルモ・シューティング 作品情報

ぱれるもしゅーてぃんぐ

フィン(カンピーノ)はアート写真からモード写真まで手がける世界的写真家。彼の写真はデジタル処理を駆使して、“現実”を組み替えることでまったく新しい世界を作り出す。活動拠点のデュッセルドルフでは、常に人に注目される生活。どこへ行くにも携帯電話が手放せず、イヤホンから聴こえる音楽だけが唯一心を落ち着かせる存在だった。ほとんど眠ることができない彼は、いつも“死”にまつわる短い夢の始まりで目を覚ます。あるとき、車を運転しながら風景を撮影していると、偶然ある男の姿を写真に収めてしまった。それと同時に、車はコントロールを失い、危うく大事故を引き起こしそうになる。フラフラと車から抜け出し、立ち寄ったパブで彼を待っていたのは、さらに不思議な体験だった。そしてフィンは旅に出る決意を固める。行き先は偶然ライン川で見かけた船に書かれていた地名、パレルモである。それはデュッセルドルフでの撮影に満足しなかったミラ(ミラ・ジョヴォヴィッチ)のためでもあった。そして、撮影後もひとりパレルモに残るフィン。そこでは執拗に彼を追い、矢で付け狙うミステリアスな男に悩まされる。そしてもう1人、この街で魅力的な人物と出会う。街の美術館で巨大な壁画『死の勝利』の修復を行うフラヴィア(ジョアンナ・メッゾジョルノ)だった。彼女はフィンから矢に狙われた話を聞き、彼が自分の抱えてきた疑問を埋める存在であることを理解する。彼女もまた過去の出来事から“死”に取り憑かれた人物だったのだ。フィンの身に危険が迫っていることを心配したフラヴィアは、祖母との思い出の地、ガンジに彼を連れ出す。そこは彼女が唯一安心できて、本当の幸せを思い出させてくれる場所だった。フラヴィアの祖母の家で眠りにつくふたり。だがフィンはそこでついに、その男=“死”(デニス・ホッパー)と対面することになる……。

「パレルモ・シューティング」の解説

多忙な生活に疲れた写真家が、旅行先のパレルモでの新たな出会いを経て、生きることを見つめ直す。監督は「アメリカ,家族のいる風景」のヴィム・ヴェンダース。出演はミュージシャンとして活躍するカンピーノ、「愛の勝利を ムッソリーニを愛した女」のジョアンナ・メッゾジョルノ、「アメリカの友人」のデニス・ホッパー。

ヴィム・ヴェンダースと故デニス・ホッパーが「アメリカの友人」以来のタッグを組んで話題を呼んだロードムービー。“死”のイメージに取り憑かれ、それから逃れようと旅に出た男が、さまざまな人物と事件に出会いながら、“生”を見出す姿を映す。

公開日・キャスト、その他基本情報

公開日 2011年9月3日
キャスト 監督ヴィム・ヴェンダース
出演カンピーノ ジョヴァンナ・メッゾジョルノ デニス・ホッパー ミラ・ジョヴォヴィッチ ルー・リード
配給 boid
制作国 ドイツ フランス イタリア(2008)
上映時間 108分

ユーザーレビュー

総合評価:5点★★★★★、4件の投稿があります。

P.N.「pinewood」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2020-04-21

🚢同じく日曜美術館で取り上げられたのが「疫病と絵画図像」だった。パレルモを舞台にした本篇にも髑髏が踊る「死のダンス」の壁画が登場しデニス・ホッパーは死神を演じていた。孤独なカメラマンの本ロードムービーは故郷の家族のルーツを求める愛と人間の絆の物語なんだろう

最終更新日:2022-07-26 11:03:31

広告を非表示にするには