女性の勝利('46) 作品情報

じょせいのしょうり

「名刀美女丸」に次いで溝口健二監督が大船撮影所で製作した作品

自由主義陣営の評論家山岡敬太は終戦と共に獄舎から釈放されたが五年間にわたる獄中生活は心身を再起不能にし彼は獄舎から直ちに病院へという惨めな姿であった。この敬太を温かく迎えたのはかっての彼の愛人女弁護士細川ひろ子であった。この二人の恋愛再燃を最も恐れたのはひろ子の姉みち子であり、牢固たる封建思想の持ち主であるその良人河野検事であった。司法の民主化が叫ばれその運動が活発化するに従って弁護師団は河野検事を粛正の第一位に擬しその機会を狙っていた。(キネマ旬報 全映画作品データベースより抜粋)

公開日・キャスト、その他基本情報

キャスト 監督溝口健二
出演桑野通子 田中絹代 松本克平 徳大寺伸 三浦光子
制作国 日本(1946)

ユーザーレビュー

総合評価:3点★★★☆☆、1件の投稿があります。

P.N.「グスタフ」さんからの投稿

評価
★★★☆☆
投稿日
2019-10-16

一言でいえば、鈍感な映画である。立派な主張が主人公たちから述べられているが、本物に聞こえない。身体の動きが付いていってない。溝口の演出にそれを修正する気力もないようだ。戦後第一作の、時勢を反映した民主主義のスローガンだけが唯一の関心事で、巨匠の得意とするリアリズムの鋭さがない。
物語は、夫を失い極貧となり精神を病んだ末、わが子を殺めた女性を、主人公が裁判の担当弁護士になり救うという話。主人公は、戦前の男性優位の封建的な社会に罪があり、被告の無罪を主張する。これでは、過去を否定するために創作された極端な作り話としか思えない。虐げられた女性を描くのが溝口の手腕ならば、主人公は弁護士ではなく、被告の女性にするべき題材だろう。溝口作品で裁判劇というと名作「滝の白糸」があるが、比較してはいけない。これはGHQの支配下のやむにやまれぬ仕事と捉えるべきである。

最終更新日:2019-10-21 16:00:08

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