東京の孤独 作品情報

とうきょうのこどく

東京ディッパースの新人テスト場のある伊東の町へ、二人の男が降り立った。その一人、プロボクサーの猿丸真二郎は、ポジションは投手をめざし、ディッパースの大貫監督を尊敬していた。もう一人の男、黒柳平介は大打者を夢見ている。猿丸は、伊東への車中でスリに会い困っているところを、ディッパースのファンと称する若い女性に汽車賃を払って貰ったのだが、その女性が現われたので驚いた。彼女は、大貫監督の妹で登世子といった。猿丸は、テストで暴投した。彼はジムに帰ろうと思った。が、ディッパースは二人の採用を決定した。その裏には、二人を入団させても優勝できないと考える、二軍監督・小芝の、大貫監督失脚を狙う策動があった。ところが、期待と策略を尻目に、二人の新人は消息を絶ったのだ。--スカウトの野々宮のもとに、黒柳から売込みの手紙が届いた。黒柳の計算された売込みは効を奏し、百万円で自分を売り、野々宮は二百万円でディッパースに売った。登世子はテレビのボクシング中継で、偶然猿丸を見つけた。大貫とともにジムを訪ねた時は、猿丸はすでに故郷の福岡へ向っていた。登世子と野々宮も福岡へ向け発った。野々宮は猿丸の母に五十万円を握らせた。登世子は大貫の窮地を語って、ディッパース入りを説いた。だが、大貫監督がウェーブスの監督に就任するという野々宮の策略と、金しばりによって、猿丸はウェーブスに入団させられた。かくして、猿丸と黒柳は文字通りライバルとなった。後楽園での三連戦。0対0で迎えた九回裏、猿丸が登板すれば、黒柳がピンチヒッターとして登場した。この勝負は黒柳のホーマーで猿丸が敗れた。その夜、黒柳は登世子を連れて猿丸のいるバーに現れ、「新人王になった者が登世子さんと結婚できるのだ」と宣言した。優勝を賭けたウェーブス対ディッパース戦が来た。ウェーブス一点のリードでの九回裏、走者を二、三塁において、大貫は黒柳をバッターボックスに送った。猿丸のスライダーを黒柳が打った球はショートゴロ。ウェーブスが勝った。--ディッパースの監督を止めた大貫に、ジャガースの監督という地位が来た。大貫は承諾した。登世子と猿丸が祝福した。

「東京の孤独」の解説

サンデー毎日に連載された井上友一郎の同名小説の映画化で、プロ野球を舞台にした青春映画。「仮面の女」の松浦健郎と井上梅次が脚色し、「群集の中の太陽」の井上梅次が監督した。撮影は「俺は挑戦する」の高村倉太郎。

公開日・キャスト、その他基本情報

キャスト 監督井上梅次
原作井上友一郎
出演小林旭 大坂志郎 月丘夢路 芦川いづみ 宍戸錠 清水まゆみ 安部徹 西村晃 殿山泰司 植村謙二郎 河野弘 三島雅夫 弘松三郎 伊藤寿章 峰三平 高野誠二郎 田中筆子 志村正順 南村侑弘 小西得郎 藤村富美男
配給 日活
制作国 日本(1959)
上映時間 102分

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最終更新日:2022-07-26 11:03:46

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