死なない子供、荒川修作 作品情報

しなないこどもあらかわしゅうさく

“人間は死なない”と断言した天命反転芸術家、荒川修作。2010年5月19日にニューヨークで急逝した荒川は、1960年代に芸術家として活動を開始。やがて拠点をニューヨークに移す。その領域は、美術館での展示にとどまらなかった。景観、テーマパーク、都市計画、映像、哲学的論考、建築など様々な手段で、人類が作り上げてきた環境、思想、生活スタイルなどの既成概念と向き合い、人間の本性を探求するものだった。初期の“棺桶シリーズ”からダイアグラム絵画を経て、70年のヴェネツィア・ビエンナーレでは日本代表として“意味のメカニズム”を発表。97年にグッゲンハイム美術館で日本人として初めて回顧展が開催され、世界中の関心を呼んだ。近年は“建築する身体”をテーマに活動。94年、岡山県奈義町に磯崎新とのコラボレーションで“奈義の龍安寺”を、95年に岐阜県にテーマパーク“養老天命反転地”を建設する。05年には“志段味循環型モデル住宅”が愛知県名古屋市に、“死なない家”の“三鷹天命反転住宅”が東京都三鷹市に完成。続いて08年には“死なない家”第2弾の“バイオスクリーブ・ハウス”をニューヨークに建設する。またそれらと平行して都市規模の天命反転プロジェクトを進める。“天命反転”とは、不可能と思われていたことが可能になること、死という宿命を反転させることなどを意味する。“養老天命反転地”や“三鷹天命反転住宅”は全てが斜面で構成されており、特別なバランス感覚が必要となる。歩くだけでも心身に通常と異なる負荷がかかるため、滞在することで身体に特別な感覚が身に着き、人間の新たな可能性を引き出してくれるというのだ。荒川は“ここに住むと身体の潜在能力が引き出され、人間は死ななくなる”と語っている。自身を“哲学、芸術、科学を総合し、実践する者”を意味する“コーデノロジスト”と称したその壮大な活動は、彼の死後も生き続ける。

「死なない子供、荒川修作」の解説

“人間は死なない”と断言し、死を乗り越えようとした芸術家、荒川修作の活動を振り返るドキュメンタリー。荒川が建設した“死なない家”の住人や、物理学者の佐治晴夫などのインタビューを織り交ぜ、その人物像を浮き彫りにする。監督は「PICKLED PUNK」の山岡信貴。ナレーションは「乱暴と待機」の浅野忠信。

公開日・キャスト、その他基本情報

公開日 2010年12月18日
キャスト 監督山岡信貴
出演荒川修作 佐治晴夫
配給 アルゴ・ピクチャーズ
制作国 日本(2010)
上映時間 80分
公式サイト http://www.shinanai-kodomo.com/

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最終更新日:2022-07-26 11:03:32

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