日本のいちばん長い夏 作品情報

にほんのいちばんながいなつ

2010年の夏、1人のテレビ演出家(木場勝己)が、終戦に関するある出来事の映像化を計画していた。彼の父は戦争経験者だが、その口から戦争の話を聞いたことがなく、人生や生き方を語り合ったこともなかった。1945年に復員した父は、戦後どのような思いで生きてきたのか?父の話を聞きたい。彼が映像化を考えたのは、1963年6月20日に開催された座談会『日本のいちばん長い夏』だった。そこでは、終戦時に政治や軍の中枢にいた者から前線の兵士、庶民など28人が一堂に会し、約5時間に渡って終戦について熱く語り合ったのだ。敗戦で焦土と化した日本だったが、奇跡的な復興を遂げ、1963年当時は高度経済成長真っ只中。団地が次々と建設され、テレビや電気冷蔵庫、自動車までもが庶民の手に届くようになった時代。翌年には東京オリンピック開催も決定しており、まさに日本中がお祭りのような明るさの中にあった。そんなときに、この座談会を企画したのは当時、雑誌の編集部員だった作家の半藤一利(池内万作)だった。演出家は半藤への取材を敢行し、同時に当時の座談会の再現を試みる。演じるのは俳優だけでなく、現在第一線で活躍する多数の文化人という異色のキャスティング。撮影の合間には彼らにも取材を行い、それぞれの戦争観を問う。中には終戦時、まだ生まれていなかった者も。ここで語られるのは、“日本政府はなぜポツダム宣言を最初黙殺したのか?”、“ソ連を仲介とする和平工作の失敗から見えてくるものとは?”、“ポツダム宣言受諾から8月15日の終戦までの経緯”、“当時の庶民の生活や意識、また戦地の兵隊たちの想いとは?”、さらには原爆投下、沖縄の惨劇など、議題は多岐にわたりながら、さまざまな立場、さまざまな世代による多角的な意見の交換は、やがて戦争の真実を明らかにしていく。それは演出家にとって、果たせなかった父との初めての対話でもあった……。

「日本のいちばん長い夏」の解説

岡本喜八監督により映像化された半藤一利編「日本の一番長い日」へと発展した座談会を再現したドラマ。「曲がれ!スプーン」の木場勝己を中心に、鳥越俊太郎、田原総一郎、富野由悠季、市川森一、江川達也など各界を代表する文化人が座談会出席者に扮して出演。再現ドラマを通じて終戦の真実が明らかになる。

公開日・キャスト、その他基本情報

公開日 2010年8月7日
キャスト 監督倉内均
原作半藤一利
出演木場勝己 池内万作 キムラ緑子 湯浅卓 中村伊知哉 青島健太 小田豊 山本清 早川純一 林望 富野由悠季 重松収 鳥越俊太郎 立川らく朝 島田雅彦 田原総一朗 瀬川菊之丞 市川森一 松永英晃 山本益博 江川達也 武藤兼治 デイヴィッド・ディヒーリ 柚原旬 加納竜 松平定知
配給 アマゾンラテルナ(配給協力 ティ・ジョイ)
制作国 日本(2010)
上映時間 111分

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ユーザーレビュー

総合評価:5点★★★★★、1件の投稿があります。

P.N.「日吉丸」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2010-08-07

試写会で見ました。ぶっ飛んだ演出に脱帽!重厚なテーマを興味深く見られました。

最終更新日:2022-07-26 11:03:33

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