遭難フリーター 作品情報

そうなんふりーたー

23歳の岩淵弘樹は出版社への内定が決まっていたが、大学の単位が足りず留年し、職を失った。そして卒業後は、派遣の仕事を掛け持ちして生活するようになる。平日は、製造派遣大手の日研総業から、埼玉にあるキヤノンの工場に派遣され、時給1250円で単純労働に従事する。週末はフルキャストの日雇い派遣で、都内に仕事を求めた。不安定な労働環境から抜け出すことのできない彼は、フリーターの権利を求めるデモに参加する。そこでマスメディアの取材を受けるが、テレビ画面に映し出された姿は、ただ不幸で貧しい若者でしかなかった。大手レコード会社に就職した友人からは、自己責任だという論調で説教され、居酒屋で居合わせた男には、奴隷だと罵られる。一体誰に負けたのか、誰の奴隷なのかと自らに問いかけながら、岩淵は拾った自転車で、夜の東京の街を走り抜けるのだった。日記のように回り続けるビデオカメラの映像は、フリーターとして暮らす岩淵の日々の生活を映すだけではない。その裏にある現代日本社会や経済構造が生み出した現実と、マスメディアが図式化する問題とのズレや、それに振り回される当事者の思いをあぶり出しているのだ。

「遭難フリーター」の解説

「いのちについて」でショートショートフィルムフェスティバルアジア2004に入選した岩淵弘樹が、派遣社員である自らを題材としたドキュメンタリー。プロデューサーは「新しい神様」の土屋豊。山形国際ドキュメンタリー映画祭2007ニュードックスジャパン、2008年香港国際映画祭、2008年レインダンス映画祭招待作品。

公開日・キャスト、その他基本情報

公開日 2009年3月28日
キャスト 監督岩淵弘樹
出演岩淵弘樹
配給 バイオタイド
制作国 日本(2007)
上映時間 67分

ユーザーレビュー

総合評価:4点★★★★、2件の投稿があります。

P.N.「大阪好きです」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2023-07-20

笑って泣いて。
金。
そして大阪人情だ。
これが、大阪だ。

最終更新日:2023-07-30 16:00:01

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