太陽(2005) 作品情報

たいよう

1945年8月。疎開した皇后や皇太子たちと離れ、地下の待避壕での生活を送る昭和天皇(イッセー尾形)。御前会議で、陸軍大臣(六平直政)は本土決戦を提唱するが、天皇は明治天皇の歌を詠み、降伏する用意があることを示唆する。迷路のような待避壕の中で袋小路にあたりながら、研究室で平家カニの研究をするときだけ、天皇の心は安らぐ。想念は次第にこの戦争の原因へと移り、天皇は東京大空襲の悪夢を見る。夢の中でアメリカ軍のB29爆撃機は巨大な魚で、焼夷弾ではなく大量の小魚を産み落とし、東京を焦土にする。苦悶のうめき声をあげながら目を覚ます天皇は、皇太子宛ての手紙を書く。アルバムを取り出して自分と皇后(桃井かおり)の写真、皇后に抱かれた小さな皇太子に口付けする。そこへ動揺した侍従がやって来て、天皇は黒いフロックコートと黒い帽子に着替える。占領軍最高司令官であるダグラス・マッカーサー(ロバート・ドーソン)との会見が行われるのだ。悲惨な焼け野原、荒んだ人々の間を走り抜け、天皇を乗せた米軍の車はアメリカ大使公邸へ到着する。天皇はマッカーサーに、連合軍のどのような決定も受け入れる準備があると告げ、会見は短時間で終わった。マッカーサーからハーシーズのチョコレートを送られ、従軍カメラマンの写真撮影に応じ、「チャップリンそっくりだ」と大喜びするカメラマンの視線にさらされながら、撮影される天皇。マッカーサーとの二度目の会談はディナーをとりながら行われ、その晩、天皇はひとり思い悩む。疎開先から戻ってきた皇后に、天皇は「人間宣言」をすることを決意したと告げる。宣言の後、玉音放送を放送した人間が自害したと聞き、打ちひしがれる天皇。皇后はその手を握り、家族の待つ部屋へ天皇を連れて行く。

「太陽(2005)」の解説

1945年の8月から翌46年にかけて、昭和天皇が連合軍への降伏を受け入れ、人間宣言に至るまでの心の移ろいを描く異色の伝記ドラマ。監督は「エルミタージュ幻想」のアレクサンドル・ソクーロフ。歴史上の人物を描くという構想の全4部作のうち、ヒトラーの「モレク神」、レーニンの「牡牛座 レーニンの肖像」(日本未公開)に続く第3作目。主演は「トニー滝谷」のイッセー尾形。

公開日・キャスト、その他基本情報

公開日 2006年8月5日
キャスト 監督アレクサンドル・ソクーロフ
出演イッセー尾形 ロバート・ドーソン 佐野史郎 桃井かおり つじしんめい 田村泰二郎 ゲオルギイ・ピツケラウリ 守田比呂也 西沢利明 六平直政 戸沢佑介 草薙幸二郎 津野哲郎 阿部六郎 灰地順 伊藤幸純 品川徹
配給 スローラーナー
制作国 ロシア イタリア フランス スイス(2005)
上映時間 115分

ユーザーレビュー

総合評価:5点★★★★★、1件の投稿があります。

P.N.「雪桜」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2006-08-26

ロシアの監督「太陽」をお勧めします。イッセー尾形さんがすごいです。あくまでもイメージですが、昭和天皇ってこういう人だったのかもと思ってしまうほど圧巻!更に、ラストの桃井かおりさんが!ぜひ!観て!

最終更新日:2024-03-26 02:00:08

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