復活の日 作品情報

ふっかつのひ

一九八×年冬、東ドイツの陸軍細菌研究所から新種のウイルスM-88が盗まれた。この細菌は摂氏マイナス10度で自己増殖をはじめ、零度を越えると猛烈な毒性を発揮する。M-88を奪ったスパイは小型飛行機でアルプスを越えようとするが、吹雪の中で墜落、恐るべき細菌が飛散してしまう。春が来ると、奇妙な事件が頻発。ソ連では羊が集団死、中国ではアヒルの死体が川を漂った。イタリアでは乳幼児が次々と意識不明になり、医師は「イタリア風邪」と名付けた。初夏になると南極昭和基地にも全世界に猛威をふるうイタリア風邪のニュースが伝わってきた。越冬隊員の吉住周三は東京に残してきた恋人、浅見則子の身を案じていた。その頃、東京では次々と死んでいく人々で路上は溢れ、混乱の極に達していた。ホワイトハウスでは連日閣議が開かれていた。そして、バークレイ上院議員はイタリア風邪の原因は、ガーランド将軍が大統領にも内密に開発した細菌兵器M-88であることをつきとめた。そしてM-88は何者かによって東ドイツに渡ったという。リチャードソン大統領は南極基地に「一致協力して生きる努力を傾けていただきたい」とのメッセージを残して息絶えた。夏の終り、南極に残る十一ヵ国八六三人を除いて世界は死滅した。八人の女性を含む残された人々の生活が始まった。そこへ、地震学者の吉住が人類滅亡の第二の危機が迫っていることを伝える。地穀変動調査でアメリカを垂直型地震が襲うことを探知、その衝撃波は、ガーランド将軍が死ぬ前にスイッチを入れた、ホワイトハウス地下にある対ソ連ミサイル攻撃の自動報復システムに作動すると言う。ミサイルが発射されれば、ソ連の報復システムも作動し、そのうちの一つが南極の米軍基地に降ることになるのだ。地震が起きる前に誰かが行かなければ。ホワイトハウスに詳しいカーター少佐は自分がいかねばならないことを知っていた。そして、吉住もカーターの助手として志願する。ノルウエーの女性隊員マリトは密かに吉住を慕っていたが、人類の種を絶やさないために、多くの男性との性交渉を義務づけられていた彼女に、吉住を独占する権利はなかった。吉住が死の旅へ出発する前夜マリトの愛は燃え上がった。「君が生き続けるために役立てるなら……」力をこめて抱き合う二人を染めて、南極の夜が明けようとしていた。

「復活の日」の解説

恐怖の細菌兵器のために人類はほとんど絶滅、南極に残されたわずかな人々の生きのびる姿を描く。小松左京の同名の小説の映画化で、脚本は「日本の黒幕」の高田宏治とグレゴリー・ナップ、「赤穂城断絶」の深作欣二の共同執筆、監督も同作の深作欣二、撮影は「金田一耕助の冒険」の木村大作がそれぞれ担当。

公開日・キャスト、その他基本情報

公開日 1980年6月28日
キャスト 監督深作欣二
原作小松左京
出演草刈正雄 夏木勲 多岐川裕美 永島敏行 丘みつ子 中原早苗 森田健作 千葉真一 渡瀬恒彦 緒形拳 オリヴィア・ハッセー グレン・フォード ジョージ・ケネディ ボー・スベンソン エドワード・J・オルモス ステファニー・フォークナー スチュアート・ギラード セシル・リンダー チャック・コナーズ ヘンリー・シルバ ロバート・ボーン
配給 東宝
制作国 日本(1980)
上映時間 156分

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ユーザーレビュー

総合評価:4点★★★★、8件の投稿があります。

P.N.「水口栄一」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2024-01-22

復活の日を久しぶりに観た。過去を振り返れば、私はこの映画を何度も観ている。けれども全く飽きない。この映画はあまりにも深いからだ。私は元々、深作欣二さんの大ファンで、深作欣二さんの映画はいつもインパクトがあると思っていた。この映画もひじょうにインパクトがあった。それは神と人間について問題を投げかけていることだ。ラストシーンで草刈正雄さんが、イエスに向かって、「あなたは何もしてくれませんでしたね?」と話しかけるシーンがある。私はこの言葉がいつまでも脳裏に焼きついて離れないのだ。私はこの世をつくった大きな力を信じている。それは神であったとしても極限状態に追い詰められた時、神は一体どうしてくれるのか、考えてしまう。またこの映画ではオリビア・ハッセーさんが出演されている。彼女はまるでダイヤモンドのようだ。素晴らしいの一言に尽きると思った。

最終更新日:2024-02-01 16:00:02

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