花と竜(1965) 作品情報

はなとりゅう

明治の末門司の港は大陸相手の貿易で湧き返り、多勢の仲仕(ゴンゾウ)が来ていた。浜尾組の玉井金五郎も四国の山奥から一旗あげようと来ていた。ある日金五郎は、ブラジルへ密航を企だてようとする鉄火肌の女マンに会った。やがて門司一円を襲った“上海コレラ”騒動にまきこまれた金五郎の病床を、マンがたびたび訪れた。金五郎は、男勝りの性格のうちに優しい心遣いをのぞかせるマンにいつか惹かれていった。全快した金五郎は、浜尾組の親方との意見の相違から、マンと一緒に彦島の山下組に職替えしていった。彦島の貯炭場に落着いた金五郎とマンの目前を、北九州一を誇る吉田磯吉親分が、乾分や芸妓を従えて山下組の事務所へ向った。貯炭場の昼休み、仲仕たちが弁当を広げている最中、マンが金五郎からもらった懐中ランプで一服つけていた時、吉田親分に連れられた芸妓の君香が、マンのライターを譲ってくれとマンに迫まった。仲仕仲間の森新之助がマンを救ったものの、その夜新之助は吉田の乾分に袋叩きにされ、半死半生の格好で放り出された。これを知った金五郎は、吉田親分に直談判に出かけた。だが意外にも吉田親分は全て自分の責任と平謝りに頭を下げた。一方、新之助は吉田親分の名前で見舞に来た君香に心をうたれ、駆落ちしようとするが、君香は土地の蝮一親分に束縛され、身動き出来ない有様であった。話を聞いた金五郎とマンは、ブラジルへゆくため貯めた金で君香と新之助を逃がしてやった。彦島にいたたまれなくなった金五郎とマンは、戸畑の永田組に移り、先輩格の角助を押しのけて、親方の代わりに采配をふるった。連合組の慰安旅行に行った金五郎は、刺青師お京に会い、金五郎の左腕に菊を握った竜の刺青を膨らせた。金五郎の腕のみせどころは、パナマ船の積荷争いにあった。競争相手は若松組の友田喜三一派であった。金五郎を目の仇にする角助の邪魔を払いのけパナマ丸の荷役を永田組の手で終えた金五郎の名は、高まっていった。やがて永田組々長引退に代わって、金五郎が親方の座につく玉井組が誕生した。マンが祝福したこの晴れやかな日は、旅順城の喜びで日本中が湧き返っていた時であった。

「花と竜(1965)」の解説

火野葦平の同名小説を、「第三の忍者」の田坂啓が脚色、「関の弥太ッぺ(1963)」の山下耕作が監督した侠客もの。撮影は「新蛇姫様 お島千太郎」の古谷伸。

公開日・キャスト、その他基本情報

キャスト 監督山下耕作
原作火野葦平
出演中村錦之助 佐久間良子 淡路恵子 神木真寿雄 内田朝雄 北川巧 源八郎 相原昇 田村高廣 宮園純子 堀広太郎 天王寺虎之助 尾形伸之介 佐々木松之丞 原京一 土橋勇 平沢彰 船越正雄 畑中伶一 小田部通麿 重松睦也 中山栄子 那須伸太朗 波多野博 疋田圀男 月形龍之介 佐藤慶 日高澄子 三島ゆり子 沢村宗之助 五里兵太郎 近江雄二郎 加藤浩 大城泰 遠藤辰雄 堀正夫 結城哲也 香川良介 松本染升 園千賀子 小松方正 中村錦司 遠山金次郎 川路誠 有川正治 菅原利夫 大里健太郎 江木健二
配給 東映
制作国 日本(1965)
上映時間 97分

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最終更新日:2022-07-26 11:03:51

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