東京流れ者 作品情報

とうきょうながれもの

流れ者の歌をくちづさむ本堂哲也を、数名の男がとり囲んだ。彼らは、哲也の属する倉田組が、やくざ稼業から不動産業にかわったのを根にもち、ことごとく倉田組に喧嘩をうろうとする大塚組のものであった。だが哲也は倉田の無抵抗主義を守りぬいた。哲也は恋仲の歌手千春と結婚して、やくざをやめる決心をしていた。倉田は経営が苦しく金融業の吉井からビルを担保に金を貸りていた。哲也はそれを知ると単身吉井に会い手形延期を申し込んだ。これを大塚のスパイで、事務員の睦子から聞いた大塚は、部下を使い吉井に担保のビルの権利書一切を渡せと脅した。電話で権利書をとられ、吉井が殺されたことを知った哲也は、怒りに身をふるわせた。大塚は邪魔者の哲也を殺すため殺し屋辰造を雇った。だが辰造は哲也の敵ではなかった。その頃大塚は倉田に哲也とひきかえにビルの問題から手をひくともちかけた。かけでこれを聞いた哲也は単身大阪に発った。だが辰造はしつこく哲也を追った。一方東東では大塚が、権利書を戻すかわりに、ビルの地下で千春にクラブ商売をさせて欲しいと申し出た。倉田は自分の利益のために哲也を見殺しにしようとしていた。東京に帰った哲也は、千春を捜した。しかし千春は、哲也が殺されたと聞かされ大塚のクラブに出ていた。哲也と千春を慕う敬一は、千春に哲也の健在を知らせ哲也に千春のいる場所を知らせた。怒った哲也は、倉田、大塚に銃弾をむけた。悽惨な死闘の末、哲也はやくざのみにくさを思い知らされた。夢をなくした哲也は、千春に書置きを残すとどこへともなく去っていった。

「東京流れ者」の解説

川内康範が原作とシナリオを執筆、「河内カルメン」の鈴木清順が監督したアクションもの。撮影もコンビの峰重義。

公開日・キャスト、その他基本情報

キャスト 監督鈴木清順
原作川内康範
出演渡哲也 松原智恵子 吉田毅 二谷英明 北龍二 長弘 江角英明 郷えい治 木浦佑三 川地民夫 柴田新 玉村駿太郎 日野道夫 浜川智子 玉川伊佐男 伊豆見雄
配給 日活
制作国 日本(1966)
上映時間 82分

ユーザーレビュー

総合評価:5点★★★★★、2件の投稿があります。

P.N.「pinewood」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2019-02-14

そして国立アーカイブ展示室の企画展で観た木村威夫の映画美術展にもcolorfulなセットと衣裳の本編が鈴木清順監督作品のcornerに在った…。其の時は気付か無かったけど,D・チャゼル監督のミュージカル映画「LaLaLand」は本編の影響力が大きかった見たいだー。ゴズリング演じるセブがピアノの練習曲にしてたのが滝廉太郎の〈荒城の月〉だったのも最近知った。映画は米仏で発明された欧米文化だけど黄金期のジャポニズムの様に思わぬ処で逆にインスパイアを与えてるんだねぇ?

最終更新日:2024-03-01 02:00:06

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