映画『淵に立つ』にイザベル・ユペールらから絶賛のコメント。漫画家・しりあがり寿からのイラストも到着

映画『淵に立つ』にイザベル・ユペールらから絶賛のコメント。漫画家・しりあがり寿からのイラストも到着
提供:シネマクエスト

今週末8日から全国公開される映画『淵に立つ』に各界の著名人から絶賛コメントが寄せられている。

フランス映画祭の際に、今作主演の浅野忠信と対談したフランスの女優、イザベル・ユペールは、『ELLE JAPON』10月号誌面で以下のようにコメント。衝撃的な展開が続く後半部分については、「ラストシーンはミステリアスで美しい」と絶賛している。

“素晴らしかった。すごく感情が揺さぶられた。サスペンスでもあり、先が読めない映画。浅野忠信さんの役がもし女だったら、私が演じてみたい。”
イザベル・ユペール(フランス/女優)

また、漫画家のしりあがり寿氏からは、今作を鑑賞しての感想がイラストとともに寄せられた。(上画像)

そのほか、柳美里氏(作家)、樋口毅宏氏(作家)らからもコメントが寄せられている。詳細は次の通り。
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私たち人間の生きる歓びは、性であれ、友情であれ、子育てであれ、他者からの働きかけによってもたらされる。自己が揺さぶられるのが感動であり快楽である。他者からの働きかけが度を越し、全てを破壊してしまう瞬間を、深田晃司監督は、二人の登場人物に赤い服を着せることによって見事に描き出した。映画を観ていて、こんなに心拍が激しくなったことはない。残酷で、鮮明で、静かな映画だ。
柳美里(作家)

これまで深田監督を知らなかった己の不明を恥じる。浅野忠信のケタ違いの存在感、筒井真理子と古舘寛治の最高の演技、全編を支配する静かな狂気、説明過多にならない画、贖罪や実存主義を超越する巧みなストーリー……。最後まで固唾を呑んだ。今年いちばんのダークホース作品。
樋口毅宏(作家)

始まりから終わりまで体がずっと硬直していました。俳優の一挙手一投足に心がずっと揺さぶられていました。そして、映画を見終わった後もずっと、浅野忠信さん演じる八坂の佇まいに悩まされ続けました。
鶴田真由(女優)

わたしたちを見つめ、飲み込み、運んでいく川。その流れに逆らうことはできない。生きることは罪を背負うこと。暗澹たる濁流の中もがく人々を、「淵」からとらえ翻弄する傑作。
今日マチ子(漫画家)

虚を突かれるほどの意外な展開の連続に、最後まで息が止まりそうでした。加害者になるということ、自分が人を害しているかもしれないという認識。人はそれをどこまで引き受けられるのかという重すぎるテーマを、真っ直ぐに突きつけられたように思います。
佐々木俊尚(作家・ジャーナリスト)

家族の本質が美しく幻想的な映像で描かれ、人間の心の奥底に潜む「異界」に誘われた。浅野忠信×深田晃司の強烈なケミストリーが放つ日本映画の新たな傑作!
弓山奈穂実(「エル・ジャポン」編集部)

深田晃司は、日本映画の伝統に沿う家族の風景の中で、西欧的な罪と罰の葛藤を語る。真にグローバルな映画の誕生だ。夫婦が立つ淵は、限りなく深い。そして、あまりに重い十字架。ああ、おそるべき傑作の誕生。
矢田部吉彦(東京国際映画祭プログラミングディレクター)

深田晃司の静かなる怒りは、人間ひとりひとりの偽善を暴き、脆さに揺さぶりをかけ、心の底に巣食う闇を突きつける。日本映画の枠をはるか越え、若き孤高のシネアスト。もう後は振り向かない。
秦早穂子(映画評論家)

※順不同、敬称略

最終更新日
2016-10-06 18:53:10
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シネマクエスト(引用元

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