​岩田「本当に暗中模索」“気持ちよくダマされた”原作者・中村文則から太鼓判『去年の冬、きみと別れ』​完成披露試写会

​岩田「本当に暗中模索」“気持ちよくダマされた”原作者・中村文則から太鼓判『去年の冬、きみと別れ』​完成披露試写会1
​岩田「本当に暗中模索」“気持ちよくダマされた”原作者・中村文則から太鼓判『去年の冬、きみと別れ』​完成披露試写会2

 『教団X』で知られる芥川賞作家・中村文則による「去年の冬、きみと別れ」。彼が挑んだキャリア最高傑作との呼び声高いこのサスペンス小説は、1ページ、1ページと、先の読めないストーリーが猛スピードで展開。随所に張り巡らされた罠が、ラストにすべてが明らかになるそのセンセーショナルな体験に、全国から絶大な支持が寄せられ「2014年本屋大賞」にノミネート。目の肥えた書店員たちに、「この小説は化け物だ」と言わしめた話題作である。
 この度、​1月25日(木)​に​新宿ピカデリーにて完成披露試写会イベントを実施しました。

 多くのマスコミ陣が会場に訪れ、緊張感溢れる中登場したのは、本作の主人公で新進気鋭の記者・耶雲恭介を演じた岩田剛典と耶雲の婚約者・松田百合子役の山本美月、監督を努めた瀧本智行、そして原作者・中村文則。「こんなにも完成披露で緊張する作品はありません。自分にとって挑戦となった作品ですので、短い時間ですが楽しんで欲しいです」と少し緊張気味の岩田。映画関係者以外へ向けての上映は本日が初めてとなり、監督は「本当に緊張しています」と話しながらも映画初披露の喜びを垣間見せる。「私、少し口が滑りがちなのでネタバレにならないように頑張ります(笑)」との言葉を山本は挨拶と共に口に。
 その言葉が物語る通り、予測不能サスペンスであり、数多くの伏線が張り巡らせられている本作。原作を読んだ感想を尋ねられ「ダマされました(笑)原作小説ならではの描写と言いますか、実際に映画化されたらどういう映像作品としてまとまるのかと、とても興味がありました。そして、結末を知った時に、また最初から読み返したくなるような作品でしたし、僕は物語の終わり方に衝撃を受けました」と岩田。山本も続けて「説明を受けて小説を読んだのですが、すっかり忘れていて。完全にダマされました。終盤ですごい事が起きるのですが…(衝撃のラストに)これいいの?大丈夫?って思ってしまいました(笑)」と笑顔を見せながら<ダマされた>と口々に。二人がダマされた<罠の仕掛け人>である中村は「映像化不可能と言われていた作品なので、どうなるのか興味が湧きました」と映画化の話を受けた際の心境を明かし、続けて「脚本を読んだ時に、“この手があったか”と。すごく驚いて、僕も映画を観てみたいと思って承諾致しました。実際に映画を観させて頂いた時に、原作の“核”を見事に捉えて頂いていて。更に映画ならではの変更がまた面白くて、原作者という立場を忘れ一観客として楽しませて頂きました。気持ちよく騙されて、素晴らしい映画体験になりました」と大絶賛!

 中村から太鼓判を押され「原作者の方に、そういう風に思って頂けて良かったなと思います。僕は原作を読んで騙されたんですけれど、映画で騙し返せて良かったです(笑)」と岩田は喜びを噛みしめる。「映画を観て頂くと分かるかと思うのですが、すごく難しい役なんです。この物語は中々語れないんです。ネタバレに踏み込めないという辛さがあります。本当に(2人共)色々な顔を演じないといけない役柄で。その時々の感情には、嘘があっちゃいけないということがありつつ、さっきから話しに出ている(映画全体では)騙さなければならないというせめぎ合いの所で、非常に微妙なニュアンスを要求される芝居だったと思うので、すごく大変だったと思うのですが、見事に演じきってくれたなと思っています」と瀧本監督は撮影を振り返り、「撮影中は暗く、深く、長いトンネルを走っている気分で、いつ出口が見つかるのかと(笑)本当に暗中を模索しているような感じでした。監督が夢に出てくるぐらい(笑)現場に、作品に没頭した作品は初めてで。原作のパワーというか、作品のパワーと言いますか、”耶雲恭介”としての役柄に自然と取り憑いているかのような感覚がありました」と岩田が熱く駆け抜けた撮影期間の心境を語りました。

「監督から、とあるシーンで試されているかのように“明日は例のシーンだけど当然寝ないよね?”と言われて…“はい!寝ません!”みたいのようなやり取りもあって(笑)そういう緊張感のある撮影現場でした。そういう雰囲気を作ってくださったのは監督で、このテクニカルな原作を映像化するのは本当に苦労されたと思っています」と続けて話す。目線一つ、振る舞い一つとっても、すべてのシーンが重要な鍵となるため、丁寧に物語を描ききった監督の演出について「とにかく細かくて…(笑)ある程度、考えてお芝居しても細かく細かく全部指示されるので…本当に指先までも指示があったので、途中少し嫌になったような…(笑)それが本当に大変でした」と山本。その苦労のかいあって、全編通して作品に込められた監督、キャスト、スタッフの”入魂”がスクリーンに投影される出来上がりに。

 また耶雲が<最愛の人>を巡って対峙することとなる危険な男・木原坂を演じた斎藤工については「お二人には、事細かにいろんなことを要求したんですけれど…斎藤さんには何も言いませんでした。”あ、木原坂がここにいる”っていう感じが(最初に)カメラの前に立たれた瞬間からありました。映画をご覧になって頂いたら分かると思うのですが、新たな悪役というか。観終わった後、ちょっと愛せるんじゃないかなって思います」と監督。続けて監督は 「(CMで)変なかつらかぶったりとか…毎日、毎日(テレビで)顔を見かけるのですが、どこか底が知れないというか。この人は本当はどういう人なんだろうということを想像させるシーンが沢山ありました。映画監督もされているし、実際カメラマンとしての仕事もされているし。この役は斎藤くん以外考えられないんじゃないかと思います」と斎藤と木原坂との親和性を語り、その親和性を斎藤と実際に対峙した岩田も感じたようで「迫力満点でした。対面するシーンも多く、木原坂としての斎藤さんの目の奥にある闇みたいなものに、すごく僕は何度もぞっとする体験を撮影中にしました。ずっと撮影中は、木原坂で居てくださっていたので、耶雲を演じる上で助けて頂きました」と熱く作品に込めた気持ちを思い思いに語りました。
 映画のタイトルにかけ“去年の冬、別れを告げたものは?”との質問では、岩田「僕は足をよく机だったりいろんな角にぶつけたりするんですけれど…夏頃にぶつけた際に大きな血豆を作ってしまって。それが、育って冬になってようやく血豆の色がついている部分が全部爪切りで切ることが出来ました(笑)」と無邪気に返答!続けて「“美の秘訣は?”のような質問を、よく取材の時に質問されるんですけれど、何もしてないですって言うと結構そんなわけ無いでしょと言われることがあるので…もうそういう風に言われたくないので、“ジム”に行き始めました。何にもしてないっていう自分と別れました(笑)モデルさんみたいなことをするようにしました!」と答え会場の笑いを誘う一幕も。

 最後は「この作品は観た方すべてが、裏切られる・騙される、そんな予測不能のサスペンスになっています。これからスクリーンの中で起こること、一瞬たりとも目を離さずにお楽しみ下さい!自分は瀧本監督のディレクションの元、精一杯演じさせて頂きました。本当に魂を込めた作品です。これからどんどん、この作品を盛り上げていけたらと思っております!」と岩田が並々ならぬ想いを込めた意気込みのコメントを贈り、期待感が充満する中イベントは終了。
 予定調和を一切許さない展開と伏線の先に待ち構える驚愕の予測不能サスペンス。『冬きみ』に全員ダマされる。是非、ご期待下さい!3月10日(土)から全国公開。

©2018映画「去年の冬、きみと別れ」製作委員会

​岩田「本当に暗中模索」“気持ちよくダマされた”原作者・中村文則から太鼓判『去年の冬、きみと別れ』​完成披露試写会3
最終更新日
2018-01-26 15:00:00
提供
映画の時間編集部

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