ビリディアナ 作品情報

びりでぃあな

学費を出してくれた伯父ハイメ(フェルナンド・レイ)から、訪問の依頼をうけたビリディアナ(シルヴィア・ピナル)は、渋々旅立った。ハイメは妻と瓜二つに成長したビリディアナにすっかり魅せられ、修道女になるという彼女を無理にひきとめるため、睡眠薬を呑まして眠らせ犯してしまった、と嘘を言った。だが、ビリディアナは、それでも屋敷を出た。そして数時間後、伯父の自殺を知った。その死の原因が自分にあると考えた彼女は、その深い罪の意識に、修道院に帰ることを断念し、他人に慈悲を与えて罪の償いを決意した。恵まれない者や障害者を集め、自分の屋敷につれて来て生活の面倒をみ、仕事と信仰を与えて、希望を持たせることを考えるのだった。そのころハイメが他の女の間にもうけた息子ホルヘ(フランシスコ・ラバル)が、情婦を伴ってやって来た。合理的な彼は荒廃した農園を整え、屋敷の改築にかかった。かたくななビリディアナに自分への関心を持たせようとし、情婦はそれを嫉妬して去った。ホルヘは子供連れの女中ラモナを誘惑した。ある日、ビリディアナ、ホルヘと女中の三人は用事で町に出掛けたが、留守を頼まれた乞食たちは、屋敷の中に入り込み、大饗宴を開いた。そして自分たちのあまりの乱行に気づいて怯気づいた乞食たちは一人、二人と屋敷を去った。そこへ突然ホルヘたちが帰って来た。ホルヘは殴られ、縛られてしまった。乞食の一人がビリディアナに襲いかかった。ホルヘは大金を与える約束で乞食のひとりにビリディアナに襲いかぶさった男を殺させた。一夜があけた。あまりのショックに、ビリディアナは一度も訪れたことのなかったホルヘを訪ねた。それは彼女の完全な転身を意味するものだった……。

「ビリディアナ」の解説

「ロビンソン漂流記」のルイス・ブニュエルが、フリオ・アレハンドロと共同でシナリオを執筆、ブニュエルが演出した反宗教的人間ドラマ。撮影はホセ・F・アグアーヨ、音楽はグスタボ・ピッタルーガがクラシック音楽を編集した。出演はシルヴィア・ピナル、「渇き」のフランシスコ・ラバル、「狂熱の愛」のフェルナンド・レイ、ほかにマルガリータ・ロサーノなど。製作はグスタボ・キンタナ。2017年12月23日よりリバイバル上映(配給:アイ・ヴィー・シー/配給協力:ノーム)。

ルイス・ブニュエルが20数年ぶりに祖国・スペインで撮影し、カンヌ国際映画祭でパルム・ドールを受賞するも、反宗教的な内容から上映禁止となった問題作。修道女のビリディアナは、唯一の親族である叔父、ドン・ハイメの邸宅で暮らし始めるが……。

公開日・キャスト、その他基本情報

キャスト 監督ルイス・ブニュエル
出演シルヴィア・ピナル フランシスコ・ラバル フェルナンド・レイ マルガリータ・ロサーノ ヴィクトリア・ジニー テレシータ・ラバル
配給 東和
制作国 スペイン(1961)
上映時間 90分
公式サイト http://www.ivc-tokyo.co.jp/bunuelangel/

(C)1991 Video Mercury Films

予告編動画

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ユーザーレビュー

総合評価:5点★★★★★、1件の投稿があります。

P.N.「pinewood」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2019-07-01

早稲田松竹classicno.150はルイスブニュエル監督特集,幻の名篇「皆殺しの天使」に続いて、本篇を観る。矢張りピナル嬢は天使の如く美しい修道女だが,此方ではブルジョワジーでは無く,貧しき者・ルンペン・プロレタリアを邸宅に招き入れた。ダ・ヴィンチの〈最期の晩餐〉を再現したシーン,ドンチャン騒ぎは「皆殺し…」と対を為している様だ

最終更新日:2022-07-26 11:03:57

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