愛と哀しみのボレロ 作品情報

あいとかなしみのぼれろ

1936年モスクワ。ボリショイバレエ団のプリマのオーディションで惜しくも敗れたタチアナ(リタ・ポールブールド)は、その帰りぎわに、選考委員のボリス(ジョルジュ・ドン)に声をかけられた。それをきっかけにやがて二人は結婚するが、スターリングラード攻防戦でボリスは戦死。残された幼い息子セルゲイを育てながら、タチアナはバレエを続けた。両親の才能を引きついでボリショイ・バレエ団の名ダンサーに成長したセルゲイ(J・ドン二役)は最高の人気を得るが60年のオペラ座の公演を機に西側に亡命。母のタチアナは再婚し、モスクワでセルゲイの成長を見守る。 1937年、パリ。人気を集めるキャバレエ“フォリー・ベルジェール”のバイオリニスト、アンヌ(ニコール・ガルシア)は、演奏中、ピアニスト、シモン(ロベール・オッセン)の熱い視線を感じる。やがて結婚した二人は幸せに酔いしれるのもつかの間、ユダヤ人であったためナチのパリ占領で収容所送りとなる。乳のみ子を抱いて列車に乗った二人は、赤ん坊だけは助けたいと、ある駅で列車の外に赤ん坊を置いていった。シモンはガス室で死亡し、終戦を迎えて無事に救出されたアンヌは、シモンを失った悲しみをふみ越えて、昔の仲間と作った音楽隊で地方を巡りながら置き去りにした子供の行方を探す。その子供は、捨てられた後に、その土地の牧師のもとで育てられ、ダビッド(オッセン二役)と名づけられ成長していた。彼はアルジェリア戦争に参加し、除隊した後、パリで作家として成功。精神病院に入っていた生みの母アンヌと奇蹟の再会を果たす。 同じパリ。ナイトクラブの歌手エブリーヌ(エヴリーヌ・ブイックス)は、パリに来ていたナチの軍楽隊長カール(ダニエル・オルブリフスキ)と出会い、彼の子を宿すが、敵に身を許した卑しい女と蔑まれパリを追放され故郷で子供を産む。私生児として祖父母に育てられたエディット(ブイックス二役)は、パリに出て貧乏暮しをしながらショウガールになり、やがてTVのニュース・キャスターになる。エディットの実の父であるカールは、1938年、ベルリンでヒトラーの前でベートベンを演奏し認められてパリでの軍楽隊長としての仕事を終え、ベルリンにいる妻マグダ(マーシャ・メリル)のもとに帰るが、愛児は戦死していた。戦後指揮者として成功した彼は、妻と共に、ニューヨークのメトロポリタン歌劇場で米初演を果たすが、ユダヤ人によるチケット買い占めで、観客わずか二人という屈辱を味わう。 1939年、ニューヨーク。人気ジャズミュージシャン、ジャック・グレン(ジェームズ・カーン)は、ヨーロッパ戦線に参加後、アメリカに戻って妻で歌手でもあるスーザン(ジェラルディン・チャップリン)を交通事故で失う。娘のサラ(チャップリン二役)は、親の血を受けて同じく歌手として成功し、息子ジェイソン(カーン二役)はサラのマネージャーになる。そして、81年、パリ。トロカデロ広場には、多くの観客がつめかけ、今からはじまるユニセフ・チャリティ・コンサートを息をのんで待ちわびていた。TVの進行役はエディット。踊り手はセルゲイ、歌うのはサラとダビッドの息子パトリック(マニュエル・ジェラン)。運命の糸にあやつられるようにこれらの芸術家たちが、今、一同に会して、一つの曲ラベルの“ボレロ”のもとに結集されるのだった。

「愛と哀しみのボレロ」の解説

ヘルベルト・フォン・カラヤン、グレン・ミラー、ルドルフ・ヌレエフ、エディット・ピアフの四人の国籍の違う音楽家たちをモデルに彼らの1930代から現代に至る波瀾に満ちた愛とさすらいの人生を描く。製作・監督・脚本は「夢追い」のクロード・ルルーシュ、撮影はジャン・ボフティ、音楽はフランシス・レイとミシェル・ルグラン、編集はユーグ・ダルモワとソフィー・ボー、美術はジャン・ルイ・ポヴェーダ、振付はモーリス・ベジャール、メイクは麗子・クルックとドミニク・コラダンが各々担当。出演はロベール・オッセン、ニコール・ガルシア、マニュエル・ジェラン、ジェラルディン・チャップリン、ジェームズ・カーン、ダニエル・オルブリフスキ、マーシャ・メリル、ジョルジュ・ドン、リタ・ポールブールド、エヴリーヌ・ブイックス、ジャン・クロード・ブリアリ、フランシス・ユステールなど。2015年10月17日デジタルリマスター版上映。

バレエダンサーのルドルフ・ヌレエフ、歌手エディット・ピアフ、指揮者ヘルベルト・フォン・カラヤン、音楽家グレン・ミラーなど一流の芸術家をモデルにクロード・ルルーシュが手がけたメロドラマ。デジタル・リマスター版にてリバイバル公開。

公開日・キャスト、その他基本情報

公開日 1981年10月16日
キャスト 監督クロード・ルルーシュ
出演ロベール・オッセン ニコール・ガルシア マニュエル・ジェラン ジェラルディン・チャップリン ジェームズ・カーン ダニエル・オルブリフスキ マーシャ・メリル ジョルジュ・ドン リタ・ポールブールド エヴリーヌ・ブイックス ジャン・クロード・ブリアリ フランシス・ユステール ポール・プレボワ ジャック・ヴィルレ レイモン・ペルグラン アレクサンドラ・スチュワルト リシャール・ボーランジェ
配給 日本ヘラルド映画
制作国 フランス(1981)
上映時間 184分

LES UNS ET LES AUTRES (C) 1981 Les Films 13 - TF1 Films Productions. All Rights Reserved.

予告編動画

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ユーザーレビュー

総合評価:5点★★★★★、2件の投稿があります。

P.N.「愛とは、祈りとは、願いとは、」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2024-03-28

かなり、私たちに、深い気付きと学びを与えてくれる作品です。

実存の人物を実際どの程度正確はわかりませんが、それらを通して、人間は、愛と祈りと願いの実現の仕方を学びます。

人間は、どんな世界で生きていても、建設的な生き方をしている限り、宇宙の法則に則り、生かされる。

クロスの十字の様に、横の繋がりばかり大切にし勝ちですが、
縦、見えないもの、神仏や祖先を敬い、ある程度の礼節をもって生きる。

するとクロスの十字となり、建設的に生きれる。

円卓ではないが、縦と横のクロスが回転して、より、活動的になり、建設的に生きれるのです。

最終更新日:2024-04-07 16:00:02

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