千姫御殿(1960) 作品情報

せんひめごてん

大阪落城の際、坂崎出羽守に救い出された千姫は、坂崎の求婚を斥け、本多家に再婚した。が、千姫は吉田御殿にこもって遊興にあけ暮れた。大工の芳之助は一夜の伽を命じられたが、翌朝死体となって許婚者おかつに発見された。吉田御殿の悪評は紛々だった。本多家の若侍小林万次郎は、姫と刺しちがえて死ぬより方法はないと言い、自らその役を買って出た。しかし、万次郎は姫の美しさの虜となった。やがて、万次郎の死体も沼に上った。--千姫に、田原喜八郎と名乗る若侍が近づいた。幸若舞の名手で、毅然とした態度が千姫の心をうった。この二人の間の空気を察した、老女如月の目が光った。千姫の夢を破ったのは、芳之助の仇を討たんと、下婢として入りこんでいたおかつだった。白刄をつきつけられ、妖婦とののしられて、千姫は驚いた。自分に近づいた男が次から次へと殺されたと聞いては、なおさらのことである。如月はおかつを斬ろうとしたが、喜八郎が身柄を預かった。田原喜八郎、実は本多佐渡守の命を受け、千姫の身辺をさぐる隠密であった。佐渡守から千姫の行状を訴える書状を見せられ、喜八郎はこの中傷は誰がするものかと考えこんだ。遠駈の日、千姫と喜八郎は武蔵野の原野で抱き合った。喜八郎は、千姫のよからぬ中傷の主が、如月であることを知った。如月は千姫のために身を滅ぼした坂崎出羽守の姉だった。如月は時到れりと、千姫に刀を抜いて迫った。この時、喜八郎が駈けつけ、如月を斬った。--上使として、柳生但馬守が吉田御殿を訪れた。家康の遺言通り、再縁するか、もしくは尼になれというのである。千姫はこばんだ。喜八郎は佐渡守に真相を話し、幕府の評定をくつがえそうとした。が、佐渡守は恋に目がくらんだとして、閉門を命じた。佐渡守は千姫の前に現われ、喜八郎は公儀隠密としての役目を果した、姫は御剃髪されるようと言った。喜八郎が隠密と知った千姫は、絶望だった。喜八郎は切腹を命じられ、これを受けた。千姫の剃髪式、その時喜八郎の遺書を持っておかつが駈けつけた。千姫は喜八郎の真実の心を知り、「私は幸せな女でした」と叫んだ。

「千姫御殿(1960)」の解説

山本富士子の千姫映画で、「町奉行日記 鉄火牡丹」の八尋不二の脚本を、同じく「町奉行日記 鉄火牡丹」の三隅研次が監督した。撮影は「月影兵庫 上段霞斬り」の竹村康和。

公開日・キャスト、その他基本情報

キャスト 監督三隅研次
出演山本富士子 本郷功次郎 中村鴈治郎 志村喬 滝沢修 山田五十鈴 中村玉緒 小林勝彦 三田登喜子 鶴見丈二 毛利郁子 千葉敏郎 美川純子 島田竜三 大和七海路 加茂良子 舟木洋一 清水元 香川良介 荒木忍 瀧花久子 浦辺粂子 橘公子 浜世津子 小町るみ子 若杉洋子 近江輝子 小林加奈枝 嵐三右衛門 志摩靖彦 東良之助 葛木香一 南部彰三
配給 大映
制作国 日本(1960)
上映時間 97分

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最終更新日:2022-07-26 11:03:50

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