素晴らしき哉、人生!(1946) 作品情報

すばらしきかなじんせい

ジョージ・ベイリイ(ジェームズ・スチュアート)は子供のころから、生まれ故郷の小さなベタフォードの町を飛び出し、世界一周旅行をしたいという望みを抱いていた。彼の父は住宅金融会社を経営し、町の貧しい人々に低利で住宅を提供して尊敬を集めていたが、町のボス、銀行家のポッター(ライオネル・バリモア)はこれを目の仇にして事毎に圧迫を加えた。大都会のカレッジを卒業したジョージは懸案の海外旅行に出ようと思ったが、突然、彼の父が過労のため世を去った。ジョージは、株主会議で後継社長に推され、承諾せねばならぬ羽目となり、弟が大学を卒業したら会社を譲ることにして、一時海外旅行もおあずけになった。ところが4年たって大学を卒業した弟は、大工場主の娘と結婚しており、その工場を継ぐことになっていた。ジョージの夢は全く破れ去った。やがてジョージは幼馴染みのメリイ(ドナ・リード)と結婚した。そして豪勢な新婚旅行に出発しようとした時、世界を襲った経済恐慌のため、ジョージの会社にも取付さわぎが起こった。ジョージは旅費として持っていた5000ドルを貧しい預金者たちに払い戻してやり、急場をしのいだ。そのため新婚旅行は出来なくなったが、2人は幸福な結婚生活に入り、次々と4人の子供に恵まれた。住宅会社の業績も着々と上り、それに恐れをなしたポッターはジョージ懐柔策に出たが、彼は断固拒絶した。第2次大戦が起こり、海軍飛行将校として従軍したジョージの弟は、殊勲をたてて大統領に表彰された。だがその喜びの騒ぎにとりまぎれて、会社の金8000ドルが紛失した。実はその金はポッターの手に入ったのだが、彼はそれを秘してジョージを苦しめ脅迫さえした。そのうえ会社には会計検査官もやって来る仕末。絶望したジョージは橋の上から身投げしようとした。と、それより一瞬早く奇妙な老人が彼のそばで身投げした。ジョージは夢中になってその老人を救った。老人はクラレンスといい、自分は2級天使で翼をもらうためジョージを救ったのだと語った。自棄になったジョージが、この世に生まれなければ良かったと洩らすと、クラレンスは彼を望みどおりジョージの生まれて来なかった幻の世界に連れて行った。そこは人情も道徳もない幻滅の世界であった。ジョージはたまらなくなって元の世界へ戻してくれと絶叫した。再び現実に戻ったジョージは、クリスマス・イヴの祝いを待つ我が家に駆けもどった。そこへジョージの窮状を知った町中の人々が、寄付金をもって彼の家に押しかけて来た。ジョージは今さらながら人の心の温かさを知り、妻や子供たちを抱きしめて、人生の幸福を沁々感じた。

「素晴らしき哉、人生!(1946)」の解説

キャプラ、ワイラー、スティーヴンスの3人が協力して設立したリバティ・プロの第1回作品(1946年)で、フランク・キャプラが製作・監督に当ったヒューマニスティック・コメディ。フィリップ・ヴァン・ドレン・スターンの物語を、「花嫁の父」のコンビ、フランセス・グッドリッチとアルバート・ハケット、それにキャプラが協力して脚色した。撮影はジョゼフ・ウォーカー(「ジョルスン物語」)、音楽は「楽園に帰る(1953)」のディミトリ・ティオムキンの担当。主演は「裸の拍車」のジェームズ・スチュアート、「地上より永遠に」のドナ・リードで、ライオネル・バリモア(「栄光の星の下に」)、トーマス・ミッチェル(「真昼の決闘」)、ヘンリイ・トラヴァース、(「セント・メリイの鐘」)、グロリア・グレアム(「綱渡りの男」)、ワード・ボンド(「恋は青空の下」)らが助演する。

公開日・キャスト、その他基本情報

配給 日本RKOラジオ映画
制作国 アメリカ(1946)
上映時間 130分

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ユーザーレビュー

総合評価:5点★★★★★、5件の投稿があります。

P.N.「pinewood」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2018-07-13

本フランク・キャプラ監督が新聞記者と上流階級の女性との愛の顛末を描くクラシック映画「プラチナ・ブロンド」も洒脱なエスプリの効いた社会諷刺性に富んだコメデイの秀作だった…。業界のスクープ合戦の模様や邸宅での召し使いの生態とか体験記を戯曲化して仕舞う其のバイタリテイには頭が下がるんだ!記者どもの生き生きとしたジャーナリスト魂というか仲間同士の息の合った呼吸というか❤️🎵

最終更新日:2024-01-01 02:00:02

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