グラン・トリノ 作品情報

ぐらんとりの

妻を亡くしたウォルト・コワルスキー(クリント・イーストウッド)は、二人の息子や孫とも疎遠になった頑固で偏屈な老人だった。朝鮮戦争の帰還兵である彼は、戦場で人を殺した重い記憶から逃れられず、愛犬のデイジー以外には心を開けなくなっていた。妻と交流の深かった神父ヤノビッチ(クリストファー・カーレイ)からの懺悔の誘いも、ひたすら拒み続ける。かつてフォード社の自動車工だった彼の宝物は、ガレージで眠る72年型の愛車グラン・トリノだった。 ひとり暮らしを続ける彼の自宅の隣に引っ越してきたのは、東洋からやって来たモン族の一家だった。その息子タオ(ビー・バン)は従兄たちの不良グループからけしかけられて、グラン・トリノを盗もうとするが、それをきっかけにウォルトと出会う。タオの姉で人懐っこいスー(アーニー・ハー)とも知り合って、孤独だったウォルトの生活にも潤いが生まれた。父親のいない気弱なタオに対して、ウォルトは男としての誇りを教えていく。祖父と孫ほど年齢の違う二人は、次第に心を通わせあっていった。 しかし、不良グループたちは執拗なまでにタオを狙った。タオが傷つけられたことを知ったウォルトは、不良グループのメンバーのひとりを暴力で威嚇する。その報復として、タオの家は銃弾を浴びせかけられ、スーは暴行を受ける。 ウォルトの怒りは爆発した。一緒に戦いに行こうと叫ぶタオを部屋に閉じ込めたウォルトは、単身で不良グループの家へと向かう。彼らを怒らせたウォルトは、銃弾によって蜂の巣にされる。そして不良グループは警察から逮捕された。ウォルトの葬儀がヤノビッチ神父によって行われ、その遺言で愛車グラン・トリノはタオに与えられた。まるで新車のように輝くグラン・トリノには、ウォルトの半生が刻み込まれていた。デイジーを助手席に乗せてタオがハンドルを握ったグラン・トリノは、今日も街を駆け抜けていく。

「グラン・トリノ」の解説

誰にも心を開けず、死を待つだけの生活を過ごす孤独な老人と少年とが心を通わせていくヒューマン・ストーリー。「許されざる者」「ミリオンダラー・ベイビー」でアカデミー賞の作品賞と監督賞に輝いたクリント・イーストウッドが、激しくも静かに暴力の否定を訴える。製作・監督・主演をイーストウッドが務め、自身の主演作は「ミリオンダラー・ベイビー」以来となる。脚本は、本作が映画デビュー作となるニック・シェンク。他のキャストでは、「大いなる陰謀」のクリストファー・カーレイ以外は、ほぼ無名な新人たちで固めた。テーマ曲も、イーストウッド自身が手掛けている。

公開日・キャスト、その他基本情報

公開日 2009年4月25日
キャスト 監督クリント・イーストウッド
出演クリント・イーストウッド ビー・バン アーニー・ハー クリストファー・カーレイ ジョン・キャロル・リンチ ブライアン・ヘイリー ブライアン・ハウ ウィリアム・ヒル
配給 ワーナー・ブラザース映画
制作国 アメリカ(2008)
上映時間 117分

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ユーザーレビュー

総合評価:4.81点★★★★☆、47件の投稿があります。

P.N.「クリキントン」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2011-02-13

30年前に今のイーストウッドを想像できた人がどれだけいたか 多分ポール・ニューマンかロバート・レッドフォードかスティーブ・マックィーン辺りと思ってた人は多いと思うけどね 日本人じゃ小林信彦は予想してたかもしれないけどね

最終更新日:2022-07-26 11:03:34

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