象の背中 作品情報

ぞうのせなか

中堅建設会社の企画営業部長として意欲的に働く藤山幸弘(役所広司)は、主治医から末期の肺がんと告知される。彼には、妻の美和子(今井美樹)と一男一女がある。臨海部にマンションを建設するプロジェクトも進行中であり、コピーライターである悦子(井川遥)という恋人もいた。いっさいの延命治療を拒否することを心に決めた幸弘は、長男である大学生の俊介(塩谷瞬)にだけ事実を告げる。戸惑いながらも、父の意思を尊重しようとする俊介。余命半年という時間を意識する幸弘は、忘れられない人たちに別れを告げるため訪問する。思いを伝えられなかった初恋の相手(手塚理美)は、幸弘を覚えてはいなかった。喧嘩別れした高校時代の親友(高橋克実)は、家業の酒屋を継いで元気に働いていた。たまたま病院で顔を合わせた取引先の元社長(笹野高史)は、幸弘の勤め先によって倒産に追い込まれた怒りを忘れてはいなかった。絶縁していた兄(岸部一徳)は、温かく幸弘を受け入れてくれた。これまでの人生をあらためて振り返る幸弘だが、病魔は確実に肉体を蝕んでいた。その気配を、娘のはるか(南沢奈央)は敏感に悟る。やがて、会社内で倒れたことによって、幸弘の病名も明らかになる。事実を隠していたことにショックを受ける美和子だが、幸弘に残された貴重な時間を共に過ごそうと決意する。会社を辞め、海辺のホスピスで家族に見守られながら余命を過ごす幸弘。その部屋には恋人の悦子も訪れて、別れの言葉を交わす。夫の不貞を察しながらも、美和子ひたすら耐えた。野生の象は死に際して、仲間たちの群れから外れて選び、死に場所を選ぶという。しかし、いま幸弘は家族からの愛情を感じている。幸せな生涯だった、と幸弘は感じたのだった。

「象の背中」の解説

48歳という若さで余命半年を宣告された男が、延命治療を拒否して自身の半生と現在を振り返るヒューマン・ドラマ。トレンドメーカーとして知られる秋元康が初めて手掛けた新聞連載の長編小説を、「g@me.」の井坂聡が監督。主演は、「SAYURI」「バベル」などの役所広司。その妻役には本作が20年ぶりの映画出演となる今井美樹。

公開日・キャスト、その他基本情報

公開日 2007年10月27日
キャスト 監督井坂聡
原作秋元康
出演役所広司 今井美樹 塩谷瞬 南沢奈央 井川遥 高橋克実 白井晃 小市慢太郎 久遠さやか 橋爪淳 益岡徹 手塚理美 笹野高史 伊武雅刀 岸部一徳
配給 松竹
制作国 日本(2007)
上映時間 124分

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ユーザーレビュー

総合評価:3.89点★★★☆、10件の投稿があります。

P.N.「ボブ」さんからの投稿

評価
☆☆☆☆
投稿日
2009-03-12

死ぬのが分かってから死ぬことの意味を考えさせれる映画ではあったが、愛人が出てきたことで全て台無し。特に手紙が読まれるシーンは本当は泣けるシーンだろうけど全く心に響かない。あのキャラで愛人持ちにする必要はあったのか疑問。むしろ裏切られた妻の目線になってしまった。看病中に愛人と対面して以降もあんなに変わらない愛情を持ち続けられるだろうか?後、個人的には海辺でのチアにドン引きでした。

最終更新日:2022-07-26 11:03:35

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