ここに泉あり 作品情報

ここにいずみあり

人心のすさみきった終戦直後、群馬県高崎市に生れた市民フィルハーモニーは、働く人や小学生に美しい音楽を与えようとしたがマネージャー井田の努力にも拘らず、楽団員の生活も成りたたない有様だった。楽団で唯一人の女性佐川かの子は、音楽学校を出たばかりのピアニストだが、田舎では腕が落ちるのを悩んでいた。新しく東京から参加したヴァイオリンの速水は彼女を励ますが、彼自身も同じ苦しみを味っていた。生活の苦しさに脱退する者もあったが、深山の奥の小学生や鉱山やハンセン病療養所などに出かけて、音楽を喜ぶ人々を見ると、一切の労苦も忘れた。速水とかの子は結ばれて結婚したが生活は苦しく技術への不安も大きくなるばかりだ。軍楽隊上りの工藤や丸屋は、仲間の楽器を質に入れたり、チンドン屋になったりしたが、それでも頑張っていた。井田は東京から山田耕筰指揮の交響楽団とピアニスト室井摩邪子を招いて合同大演奏会を開いた。余りに大きな腕の違いに一同は落胆したが、それから二年後、山田氏は旅の途中で彼等の練習所へ立寄った。生活と闘いながら彼等は立派な楽団に成長していた。かの子は赤ん坊を背に、皆と一緒に、野を越え山を越えて、人々の心に美しい音楽を与えるため歩きつづけた。

「ここに泉あり」の解説

今井正が「にごりえ」に次いで監督する映画で、群馬の地方交響楽団をモデルに「浮雲」の水木洋子が脚本を書き、「愛すればこそ」の中尾駿一郎が撮影に当り、同じく団伊玖磨が音楽を担当する。主なる出演者は「あなたと共に」の岸恵子、「人間魚雷回天」の岡田英次、「学生心中」の小林桂樹、「浮雲」の加東大介、「銀座令嬢」の三井弘次、「姿三四郎 第二部(1955)」の東野英治郎、「哀愁日記」の草笛光子等で、山田耕筰のほか楽団人も特別出演する。

公開日・キャスト、その他基本情報

キャスト 監督今井正
出演小林桂樹 岡田英次 岸恵子 成瀬昌彦 加東大介 三井弘次 大滝秀治 福田秀実 椎原邦彦 斎藤雄一 冨田浩太郎 井出忠彦 林孝一 庄司永建 中野孝治 増田順二 中村是好 近衛敏明 十朱久雄 清村耕二 東野英治郎 千石規子 鶴丸睦彦 原ひさ子 清洲すみ子 沢村貞子 草笛光子 伊沢一郎 山田耕筰 室井摩耶子 高野二郎 平田治子 田中稲子 奈良岡朋子 湯野川和子 田中栄三 島田屯 浮田左武郎 望月伸光 戸田春子 武智豊子 原保美 田中筆子 多々良純
配給 独立=松竹
制作国 日本(1955)
上映時間 177分

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最終更新日:2022-07-26 11:03:48

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