山の音 作品情報

やまのおと

川端康成の原作を、「にごりえ」の水木洋子が脚色

六十二という齢のせいか、尾形信吾は夜半、よく目がさめる。鎌倉の谷の奥--満月のしずかな夜など、海の音にも似た深い山の音を聴いて、彼はじぶんの死期を告げられたような寂しさをかんじた。信吾は少年のころ、妻保子のわかく死んだ姉にあこがれて、成らなかった。息子修一にむかえた嫁菊子に、かつての人の面影を見いだした彼が、やさしい舅だったのは当然である。修一は信吾が専務をつとめる会社の社員、結婚生活わずか数年というのに、もう他に女をつくり、家をたびたび開けた。社の女事務員谷崎からそれと聴いて、信吾はいっそう菊子への不憫さを加える。ある日、修一の妹房子が夫といさかって二人の子供ともども家出してきた。信吾はむかし修一を可愛がるように房子を可愛がらなかった。それが今、菊子へのなにくれとない心遣いを見て、房子はいよいよひがむ。子供たちまで暗くいじけていた。ひがみが増して房子は、またとびだし、信州の実家に帰ってしまった…。

「山の音」の解説

「あにいもうと(1953)」の成瀬巳喜男が監督。「愛人」の玉井正夫の撮影、「恋文(1953)」の斎藤一郎の音楽である。主な主演者は、「にごりえ」の山村聡、丹阿弥谷津子、長岡輝子、「東京物語」の原節子、「にっぽん製」の上原謙、「家族あわせ」の角梨枝子、「純情社員」の杉葉子、「恋文(1953)(1953)」の中北千枝子など。(キネマ旬報 全映画作品データベースより抜粋)

公開日・キャスト、その他基本情報

キャスト 監督成瀬巳喜男
出演山村聡 長岡輝子 上原謙
制作国 日本(1954)

ユーザーレビュー

総合評価:5点★★★★★、2件の投稿があります。

P.N.「pinewood」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2018-07-10

神奈川県立近代文学で常設展に川端康成のコーナーで鎌倉所縁の本編原作展示が在った…。本編の冒頭辺りには家路への小路で山村聡と原節子との奇妙なやり取りが有る。庭先の向日葵の大輪を眺めながら「僕も頭を取り外してクリーニングに出せたら便利なんだが…」と最近頭がもやもやしてるからと義理の父親の山村は原に向かって笑って云うー。そんな何気無い日常の生活の刹那を成瀬監督は切り取って見せるんだ!是枝裕和監督が成瀬作品に惚れ込む由縁で有る。


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最終更新日:2018-07-15 16:00:05

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